著者紹介
伊賀 健一
(Kenichi Iga)
広島県出身。1959年広島大学附属高校卒。1963年東京工業大学大学理工学部卒。1968年同大学院博士課程修了(工学博士)。東京工業大学教授,同図書館長,同精密工学研究所(現未来産業技術創成研究所)所長,ベル研究所客員研究員(1979〜1980年)。日本学術振興会理事(2001〜2007年),工学院大学客員教授(2001〜2007年),東京工業大学学長(2007〜2012年),一橋大学監事(2014年〜2016年)等を歴任。
面発光レーザー,並列マイクロオプティクスの研究に従事。電子情報通信学会名誉員,2003年度会長,同学会功績賞ほか。応用物理学会フェロー,同学会微小光学研究会代表,同学会業績賞,小舘香椎子賞。米国ナショナル工学アカデミー外国人会員。IEEE Life Fellow, IEEE William Streifer Award, IEEE Daniel E. NobleAward。米国光学会(OSA)Fellow, 同学会J.Tyndall Award。東レ科学賞,朝日賞,Rank賞,紫綬褒章,藤原賞,NHK放送文化賞,泰山賞など。2013年フランクリン賞(ゴールドメダル・バウワー賞),2018年瑞寶重光章。
趣味は,コントラバス演奏。
目次
第1章 面発光レーザー:実はみんなが使っている
1.1 きっかけは
1.2 面発光レーザーとは
1.3 もう少し知ろう、面発光レーザー
1.4 面発光レーザーの応用と新しい製品分野
余話1A 研究と応用
第2章 面発光レーザーは垂直だ:横のものを縦に
2.1 横のものを縦に
2.2 面発光レーザーの特徴は何か?
2.3 垂直:3つの発明
2.4 LEDと面発光レーザーはどこが違うのか?
余話2A LEDとノーベル賞
第3章 研究へ:それはルビーレーザーから始まった
3.1 レーザーの出現
3.2 レーザーの気持ちが分かる
余話3A メイマンのルビーレーザー発表
余話3B IEEEのMilestone
第4章 何事も最初が肝心だ:準備万端無反省
4.1 半導体レーザーへのインスピレーション
4.2 半導体レーザー研究の道へ
4.3 大きな潮流:光ファイバー通信の曙
余話4A 光ファイバー通信の潮流
余話4B 林厳雄さんのこと
第5章 苦しんで生まれた面発光レーザー:考え抜いた夜
5.1 研究へのミッション
5.2 面発光レーザーの発案
5.3 面発光レーザーを作ろう
余話5A 面発光レーザーができるかどうか?
第6章 ベル研究所で:メジャーリーグを体感
6.1 在外研究員で米国へ
6.2 ベル研究所での研究が始まった
6.3 ベル研究所の朝は早い
6.4 ベル研究所では面発光レーザーの研究をしなかった
6.5 ノートブック
6.6 ベル研究所の分割
余話6A ベル研究所の興亡
余話6B ナイアガラの滝
第7章 室温連続動作を目指せ:みんなは無理だと思った
7.1 面発光レーザーの評判と理解者
7.2 学会の発表もなかなか採択にならず…
7.3 薄膜の面発光レーザー:大きなブレークスルー
7.4 低しきい値の面発光レーザー:CD用レーザーを凌ぐ
7.5 気相成長装置を自作へ
7.6 室温連続動作を目指して
7.7 ついに室温連続発振成功へ
7.8 発表することが大切だ
余話7A 半導体レーザーの室温連続発振とは
第8章 特別推進研究から波長掃引面発光レーザーへ
8.1 特別推進研究へ
8.2 平板マイクロレンズと積層光集積回路
8.3 波長掃引半導体レーザー
8.4 MEMS技術を援用した波長掃引型面発光レーザー
8.5 その後の発展
余話8A 肺炎なのにフランスへ飛ぶ
余話8B 研究費は必要だ
第9章 ベルリンの壁崩壊:大競争の1990年代
9.1 ベル研究所でも
9.2 1990年代になって
9.3 1990年代に競争激化
9.4 面発光レーザーは破壊的技術か?
9.5 日本における面発光レーザー開発
9.6 ウルム大学の客員教授に
9.7 文部省COEプログラム
余話9A ジュウェルさん
余話9B 面発光レーザーは学長に向いている?
第10章 色々な波長の面発光レーザー:基礎技術の開拓
10.1 面発光レーザーと材料
10.2 波長780nm?850nm帯の面発光レーザー
10.3 波長980nm帯の面発光レーザー
10.4 赤色面発光レーザー
10.5 波長1μm帯の面発光レーザー
10.6 青色発光の面発光レーザー
余話10A 面発光レーザーの波長と問題点は?
第11章 進む産業化:ビッグイノベーション
11.1 面発光レーザーのお爺さん
11.2 面発光レーザーの特徴とそれを活かした技術分野
11.3 面発光レーザーが先導する製品技術
余話11A 多モードの面発光レーザー
第12章 インターネットとスマートフォン:そこにも面発光レーザー
12.1 インターネットの普及
12.2 スマートフォン
12.3 面発光レーザーの産業規模
12.4 情報と社会
余話12A スマホとは
第13章 超並列フォトニクス:夢は続く
13.1 面発光レーザーの性能追求
13.2 夢は超並列光・電子デバイスを結合した
新しいシステム
13.3 将来像
13.4 光の日・音の日
余話13A 平板マイクロレンズと
積層光回路の発明
余話13B 音の日は?
第14章 面発光レーザーと特許
14.1 面発光レーザーと特許
14.2 特許その後
余話14A ストライファーさん
第15章 チャンスを活かす15の法則:新しいデバイスの創造と失敗
余話15A チャンスを活かすはどうして生まれたか?
余話15B 大学におけるテーマのリフレッシュ
第16章 日本学術振興会理事と東京工業大学の学長:学術と教育・研究に
16.1 日本学術振興会の理事に
16.2 東京工業大学の学長に
余話16A すばる星 灯を点じたり
第17章 フランクリン賞を受賞:フランクリン賞について
17.1 フランクリン賞の受賞
17.2 授賞式
17.3 受賞記念事業
17.4 授賞式を振り返って
余話17A フランクリン賞:フィラデルフィアが町ごと応援
あとがき
主な論文・著書
参考文献