書籍 | 一般
商品コード:
9784902312263
マネジメント入門
販売価格(税込):
1,980
円
ポイント:
19
Pt
周佐喜和、鈴木邦雄
四六判 272頁
2008/1/10
技術者・研究者もよく分かる
オプトロニクス社
概要
刊行趣旨
技術者・研究者も企業など組織に所属している限り、自分の仕事と組織の目標達成との関係をよく理解しておく必要がある。本書では大学に身を置きながら日頃より企業の活動現場に頻繁に足を運んできた筆者が組織におけるマネジメント、経営判断の重要性を解説している。
読者対象
企業で管理職にある研究者・技術者。企業の役員。マネジメントを学ぼうとする学生・教育関係者・一般の方々。
目次
【序章 技術者・研究者にも必要な「マネジメント」とは】
1.マネジメントとは何か、何故必要なのか
企業活動に伴うマネジメント
企業内の人々の活動をまとめるのが、マネジメントの役割
企業を取り巻く利害関係者との関わり
2.技術者・研究者にとっての「マネジメント」
技術者・研究者が持つべき「マネジメント」の知識
本書の狙いと構成
3.マネジメントに対する大いなる誤解
【第1章 日本型技術マネジメントの強み(製品開発を中心に)】
1.日本企業に強みをもたらした独自のマネジメント
日本の「もの造り」の強み
歴史的に見た日本製造業の強みに対する見解の推移
製造機能における日本型マネジメントの強み
製品開発においても強い日本企業
2.日本型製品開発マネジメントの持つ強み
サプライヤーの開発活動への参加
製品開発プロセスのオーバーラップ
組織内コミュニケーションのあり方の持つ意味
開発プロジェクト・リーダーの役割
3.アーキテクチャ選択のマネジメント
日本型製品開発マネジメントは、どこでも有効なのか
製品アーキテクチャの分類
アーキテクチャの違いと製品開発
技術的要因だけでは決まらない製品アーキテクチャ
顧客の評価が左右する製品アーキテクチャ
アーキテクチャの選択
【第2章 企業の活動とマネジメント】
1.人的資源管理は、マネジメントの要
複数の人々が協力して働いてもらわないと、成果は出ない
成果を出すための人的資源管理
働く人が満足するための人的資源管理
労使関係の管理
人的資源管理の目指すもの
2.予算と決算の役割を考える(会計・財務)
企業の活動に先立つものとして資金は不可欠
資金調達にはコストがかかる
短期資金と長期資金の区分
資金調達のタイミングと予算編成
企業活動の評価としての会計
3.マーケティングは技術者にも必要
技術や製品を開発する意味
マーケティング・マネジメントの領域としての製品開発
正確な需要予測の追求
技術者・研究者にも求められる顧客を説得する役割
4.企業の長期的な成長・発展を実現するための経営戦略
トップマネジメントに求められる長期的な視点と経営戦略
経営戦略は何故必要なのか
コア・コンピタンス
事業領域(ドメイン)選定の重要性
企業戦略と競争戦略
5.国境を越える企業活動
経営戦略の一環としての国際化戦略の必要性
海外に進出する動機
海外事業における
競争で勝つための条件
現地での競争優位の持続
グローバル経営に向けて
【第3章 技術とイノベーションのマネジメント】
1.技術をマネジメントする
技術マネジメント論(MOT:Management of Technology)
国の競争力から見た日本の現状と技術マネジメント論との関係
技術を活用して競争力を向上させる方法
イノベーションマネジメントの必要性
技術から利益を確保することが、マネジメントの目標
技術の模倣可能性
補完資産の持つ意味
技術の専有の問題点
2.企業競争力を高めるためのイノベーションマネジメント
イノベーションはどこから発生するのか
イノベーション発生のリニア・モデルとその限界
技術プッシュ対市場プル
イノベーションの源泉の多様性
イノベーションの発展パターン
S字曲線
イノベーションのダイナミクス
脱成熟の可能性
イノベーションがもたらす企業間競争力の変化
イノベーションの連続性と不連続性
イノベーションとユーザーの変化
3.イノベーションを妨げる要因とその克服
イノベーションの実現を妨げる企業側の要因
実際には見極めにくい製品の寿命
既存事業のしがらみがもたらすイノベーションへの取り組みの遅れ
分業の行き過ぎがもたらす危険
業績悪化でも難しい新しい事業分野への転換
変革の必要性の認識
イノベーションを実行する組織の問題
イノベーションの成果の定着
4.研究開発チームのマネジメント
チームとして行われるイノベーション活動
開発チームの人選
コミュニケーションとゲートキーパーの役割
5.イノベーションと企業間システム
イノベーションのための外部企業の活用
外部組織を利用することの長所と短所
企業間システムのマネジメント
6.情報技術を活用するマネジメント
情報技術と企業経営
情報システムの活用による新しい価値の提供
情報技術の進展を活用した事業の拡大
売れ筋の把握による効果
情報システムの多重活用
情報技術の活用を支えるもの
【第4章 マーケティングの新潮流】
1.顧客の声は、どうすれば分かるのか
ある元経営者との対話から
科学的なマーケティング手法の盲点
自分で仮説を立てて
行動することの重要性
他社との差をつけるために求められること
顧客は製品に何を求めるのか
製品を使うことに伴う心地よさ
商品イメージを高めるのは、全社レベルの課題
顧客が求めていることと社内の人間の都合との間の見極め
2.ブランド構築のマネジメント
ブランド構築は、企業組織全体の問題
伝統的なマーケティング論におけるブランドの考え方
価値観やライフスタイルの反映としてのブランド
ブランド構築のマネジメントとは
【第5章 動機付けのマネジメントの観点から見る人的資源管理】
1.モチベーション理論を見直す
満足度の高い人は、本当に仕事も熱心にするのか?
モチベーションが含む二つの意味
人は何によって動機付けられるのか?
技術者・研究者にとって重要な仕事自体の面白さ
金銭的報酬の持つ意味
2.いわゆる日本的人事・労務管理を再考する
日本型人事・労務管理は、本当に時代遅れなのか?
存在しなかった終身雇用
年功制の背後にある競争原理
経営制度万能論を超えて
【第6章 環境マネジメントを考える】
1.企業の社会的責任
企業と利害者集団との関係を考える
企業の社会貢献活動
社会的責任と経済的機能の融合
2.地球環境時代に生きる企業
企業の社会的責任の一環としての環境マネジメント
公害から地球環境へ
法令遵守の観点から見た環境マネジメント
法令遵守を超えて発展する環境マネジメント
エコロジー
3.環境マネジメントの事例
環境マネジメントの先端的事例を考える
(1) ハウステンボス
地球環境時代の事業コンセプト
「まちづくり」から来る環境への配慮
自然環境を資源として捉える視点
(2) ワタミ
外食産業を取り巻く環境法規制の問題
廃棄物処理のためのアライアンス構築
農業への参入と環境ブランド構築の試み
ワタミの事例に見る環境マネジメントの論理
(3) NECと環境NPOとの提携
企業と環境NPOとの提携
NPOとの環境報告書共同作成
NPOとの提携による新事業の創出
環境ビジネスの可能性とNPOの役割の変化
(4) エスコ事業の省電舎
地球環境問題に貢献するエスコ事業
エスコ事業とは何か?
日本のエスコ事業と省電舎
4.東アジアにおける環境マネジメントの取り組み
環境マネジメントの国際比較
(1) 韓国における環境マネジメントの実状
中央政府主導の環境評価
地方政府と一体の環境マネジメントシンクタンクの存在
最新の知識・制度の導入
環境マネジメントに見られる「韓国らしさ」
(2) 中国における電力事情
中国で高まりつつある環境問題
逼迫する中国の電力需要
電力事業と環境問題
中国の電力事業の課題
中国におけるエスコ事業の台頭
【終章 本書で「マネジメント」に興味を持ってくださった方のために】
結びに当たって
企業内の部分最適化がもたらす弊害
求められる企業経営のセンス
読者の皆さんの今後の勉強のために