書籍 | ナノテク
商品コード:
9784900474833
近接場ナノフォトニクス入門
販売価格(税込):
5,500
円
ポイント:
55
Pt
大津元一、河田聡
B5判 約140頁
2000/4/25
「近接場ナノフォトニクスハンドブック」の廉価版
オプトロニクス社
概要
刊行趣旨
近接場光関連技術は原理、要素技術、システム、応用、さらに理論に至るまで日本が世界のリードを保っている数少ない例である。本書では近接場ナノフォトニクスに関する基礎から理論、要素技術までを詳しく説明している。
読者対象
近接場光に関する研究者・技術者はもとより、近接場光に関心を持つ学生および一般の方々。
著者紹介
45名の専門家による分担執筆
目次
第I部 基礎編
■歴史・原理
1. はじめに
1.1 概要
1.2 近接場光学理論
1.3 顕微鏡の開発
1.4 近接場光学の応用
2. 原理
2.1 ニアフィールドとエバネッセント波
―波長を超える波―
2.2 微小開口のスカラー回折理論
2.3 Betheの微小開口による回折理論
2.4 ニアフィールド光学顕微鏡の結像原理
■可能な応用範囲
1. 材料工学
2. 光エレクトロニクス
3. バイオテクノロジー、生物学、化学
4. 顕微鏡技術
■可能性とニーズの調査結果
第II部 理論編
■現状の理論の概要と問題点(1)
-近接場ナノフォトニクスの理論的背景
1. はじめに
2. 光近接場と物質系の相互作用
3. 近接場光学顕微鏡の一般的性質
3.1 走査プローブ顕微鏡
としての基本的性質
4. エバネッセント波と
アンギュラースペクトル展開
4.1 光の全反射とエバネッセント波
4.2 エバネッセント波と波数スペクトル
4.3 光近接場とアンギュラー
スペクトル展開
4.4 スカラー散乱場の
アンギュラースペクトル表示
4.5 場の局所性と波数スペクトル
5. まとめ
■現状の理論の概要と問題点(2)
-古典電磁気学的取り扱い
1. ファイバプローブの電磁気学
2. ベクトル波動関数
3. 円筒電磁波
4. 光ファイバの電磁界モード
4.1 導波電磁界モード
4.2 導波電磁界モード展開
5. ファイバプローブにおける
導波モードの励起
6. 問題点
■現状の理論の概要と問題点(3)
-コンピュータによる近接電磁場の計算
■現状の理論の概要と問題点(4)
-散乱問題と自己無撞着法による取り扱い
1. はじめに
2. 基礎方程式
3. プロパゲーター法
4. 近接場光学顕微鏡(NOM)
への応用と計算例
4.1 入射偏光依存性
4.2 プローブのテイパー角
及び等価的NA依存性
5. まとめ
■現状の理論の概要と問題点(5)
-双対的Ampereの法則とNOM像
1. はじめに
2. 近接場の簡単な描像
2.1 波数ベクトル非依存の描像
2.2 双対的Ampereの法則
3. 場の強度の表式
3.1 遠隔場測定、
近接場測定の場の強度
4. NOMへの応用
4.1 近接場とNOMの信号強度の関係
4.2 NOMがうまくはたらく理由
5. まとめ
第III部 要素技術編
■プローブ(1)
-概要・ファイバプローブ
1. 概要
2. ファイバプローブ
2.1 高分解能用
(小クラッド径型、ペンシル型)
2.2 高感度用
(二重先鋭型、軸非対称型)
2.3 高分解能かつ
高感度用(および紫外用)
2.4 機能付加用
■プローブ(2)
-金属プローブなど
1. 散乱型プローブの原理
2. 散乱型プローブの特徴
3. 金属プローブを用いた
ニアフィールド光学顕微鏡
3.1 金属プローブによる電場増強効果
3.2 STMによる位置制御
3.3 応用
(生物、半導体)
4. まとめ
■プローブ(3)
-微小球プローブなど
1. 微小突起をプローブとしたSNOM
2. ポリスチレンラテックス球を
用いたプローブ部の製作
3. プローブ部の光学的特性
3.1 検出光の偏光状態
3.2 試料やプローブの屈折率の影響
4. PL球をプローブとしたSNOMの実際
■プローブ(4)
-原子間力顕微鏡
プローブとの組合せファイバープローブ等
1. はじめに
2. ベントタイプ光ファイバー
プローブの作製法
3. プローブの動作特性
4. プローブの評価
■プローブ(5)
-マイクロファブリケーション技術を
用いた集積化プローブ
1. はじめに
2. 集積化マイクロプローブ:フォトカンチレバー
3. フォトカンチレバーによる
近接場光学原子力同時観測装置
4. おわりに
■プローブ(6)
-原子間力顕微鏡カンチレバーとの関連
1. 総論
1.1 カンチレバープローブの特色
1.2 装着概要
2. プローブについて
2.1 開口プローブ
(特性、プローブ製作法、測定例)
2.2 散乱プローブ
(特性、測定例)
■プローブ(7)
-機能性プローブ
1. はじめに
2. どのような機能を示す材料を選択するか
3. 材料をどのようにプローブ先端に固定化するか
4. 作成した機能性プローブの機能を
十分な光信号として検出できるか
5. 機能性プローブの今後の展開
■プローブ位置制御・走査技術
1. はじめに
2. プローブの位置制御技術
2.1 STM制御
2.2 エバネッセント光制御
2.3 力制御(光検出)
(シェアフォース制御、AFM制御)
2.4 力制御(圧電検出)
3. 走査技術
3.1 ピエゾスキャナー
3.2 フィードバック回路
■他のプローブ、走査プローブ顕微鏡
技術との対応・関連
1. 防振技術
2. 圧電素子の非線形性
(ソフトウエアによる補正、ディジタル走査による補正、
電荷制御による補正)
3. 慣性駆動方式による移動機構
■画像処理技術
1. NSOMと画像処理
2. NSOMにおける画像処理
2.1 画像歪み補正
(走査機構の非直線補正、傾き補正)
2.2 濃淡画像処理
(濃度変換、空間周波数フィルタリング)
3. NSOMのための画像処理ソフトウェアの実際
3.1 ImageSXMの使い方
3.2 ImageSXMによる画像処理例
■像解釈へのアプローチマイクロ波による
シミュレーション
1.はじめに
2.実験
2.1 プリズム表面のエバネセント波の測定
2.2 段状物体の近接場
2.3 パラフィンプローブによる近接場の検出
3.おわりに
第IV部 応用のための参考文献集編
■凝縮系の分光計測(1)
-半導体試料測定の基本技術と
その応用例
■凝縮系の分光計測(2)
-ラマン分光システムの構築とそのポイント
■凝縮系の分光計測(3)
-トンネル電子ルミネッセンスによる半導体
量子構造の実空間特性評価
■凝縮系の分光計測(4)
-量子光学と近接場
■赤外顕微分光への適用
■生体試料への適用(1)
-近接場光学顕微鏡(NOM)による
極微小生体サンプルの観測
■生体試料への適用(2)
-近接場蛍光顕微鏡による
アクチン細胞骨格の水溶液中観察
■生体試料への適用(3)
-生体分子における1分子イメージング・操作
■ハロゲン化銀結晶上の
色素分布の観測
■有機材料への適用
■光記録・加工(1)
-金属プローブ
■光記録・加工(2)
-近接場光ストレージ技術
■光記録・加工(3)
-近接場露光
■有機光記録材料
■表面プラズモンとの接点(1)
-表面プラズモンを利用する
近接場光学顕微鏡
■表面プラズモンとの接点(2)
-微小金属球を用いた近接場顕微鏡
■表面プラズモンとの接点(3)
-近接場光学顕微鏡と
表面プラズモン顕微鏡の両立
■電子ビーム工学への応用
■力学的作用の応用(1)
-概説および誘電体
■力学的作用の応用(2)
-表面
■力学的作用の応用(3)
-原子
■索引